デスクワーク社会が我々の身体に与える「動きの画一化」は、健康維持を遠ざける。現代人が無意識に行っている“あの”行動も、心疾患や生活習慣病の危険性を知らず知らずのうちに高めていた。今回は、今を生きるデスクワーカーに必ず知って欲しい、身体と健康リスクのおはなし。
椅子に根の生えた日本人?
朝目覚める、歯を磨き、身だしなみを整え、朝食を取る必要があれば取るだろう、その後はバスに乗る?電車をつかう?いずれにしてもあなたが一般的な人間であれば仕事に向かう、そして目の前のパソコンに向き合う、約7時間?そのあと君は何をする?家に帰り、テレビを見るそれともネットサーフィン?いつのまにか時間が経っている。これは現代社会人の日常の生活を描写している。日常の中で利用している動きの8割ぐらいは「背もたれに寄りかかりながら座る」ことを無意識のうちにおこなっている。
実際にシドニー大学等の研究では、「日本人は1日に平均7時間座っている」という報告をしている(1)「背もたれに寄りかりながら座る」というプロセスは筋肉の収縮や関節の運動をともなわない。健康維持に必要な運動量を稼ぐことができなく血流量や代謝低下による心疾患や代謝性疾患である生活習慣病の諸悪の根源になってしまうのは有名な話だ。
座りすぎには御用心
さらに運動を行わないことによる「動きの画一化」も問題の一つに挙げられる。働く人々が仕事中、主に企てる動きは7時間背もたれに寄りかかりながら座り指を動かかすという動きである。このことが運動を行う上での弊害となる。実際に「走る」という運動を行うとしよう。あなたの関節は座るという動きに適応している。図のように股関節はかたまり、背骨を丸めながらデスクワークを行っている人がたくさんいるのではないだろうか?このときにこの状態のまま「走る」という行為をすると怪我を招く恐れがある。なぜならば座るという動きから形成されるイメージは走る動きに適応しないからだ。
関節のもつ「可動性」と「安定性」を理解することが、重大な怪我の発生を予防する。
下の図は人間の関節の役割を表した図だ、赤く示されているところが可動性をもち、青く示している箇所が安定性をもつ。(2)可動性を有している関節は多様な方向に動く役割をもっている。代表となる関節は股関節などの球状の関節だ。前後左右、多様な方向に動くことを可能にする。それに対して安定性を有している関節は一つの方向のみの動きを得意とする。代表となる関節は膝関節などの関節で、捻るれることがあまり得意ではない。この関節の役割が入れ替わってしまうときがある。簡単な例をあげれば、股関節が固定され膝関節が過剰に可動してしまう事による膝の怪我などが挙げられるだろう。下にあげる動画はサッカー選手の傷害シーンである。関節の役割が入れ替わってしまことは時として大きな傷害の引き金となる。
座りすぎには御用心
さて、座るという行為をもう一度観察してみよう。日々、股関節は動かすことがなく、足首を動かすこともない。上記の動きは動く際の適切な関節の役割とはまったく逆のことをしていることがわかるだろう。関節の役割が破綻している状態で運動を継続的に行っていたら動画で挙げたサッカー選手のような状態に仮にならないにしても、膝に過剰な負荷がかかってしまう事が予測されるだろう。 走る動きに適応した動作になるように関節の役割をストレッチやエクササイズで戻さなければならない。そうでないと健康になるために行う運動も諸刃の剣になってしまう。
さて、座るという行為をもう一度観察してみよう。日々、股関節は動かすことがなく、足首を動かすこともない。上記の動きは動く際の適切な関節の役割とはまったく逆のことをしていることがわかるだろう。関節の役割が破綻している状態で運動を継続的に行っていたら動画で挙げたサッカー選手のような状態に仮にならないにしても、膝に過剰な負荷がかかってしまう事が予測されるだろう。 走る動きに適応した動作になるように関節の役割をストレッチやエクササイズで戻さなければならない。そうでないと健康になるために行う運動も諸刃の剣になってしまう。
健康のためのミニタスクを日常の中に散りばめることで、無理なく習慣化しよう。
そうならないように、日常生活をまず改めてみよう。職場環境を変化させる事ができる立場なら「立ち椅子」を採用して立つ事ができる職場環境にすれば座る時間を減らすことができる。また仕事の中に運動を行うことを含めれば仕事の効率だって向上する可能性だってある。最近はそういった企業もあるようだ。職場環境を変えることができない立場の人々も休み時間などに簡易的なストレッチやエクササイズなんかを取り入れることもオススメだぞ。今ではグローバルブレインであるGoogleに頼ることができるから、簡易的にエクササイズを情報収集する環境がある。「デスクワーク・ ストレッチ・ エクササイズ」などをキーワードで検索をかけてみよう。そしてそれを隙間時間に実践するんだ。それでも不安だという人は、パーソナルトレーナーに頼んでみよう、実際にあなたの動き評価をしてくれる、そして今一番必要なエクササイズを提案してくれる。隙間時間の運動や食事まできめ細やかに指導をしてくれる。
あなたの日常が長期的に見れば「well – being(良いあり方)」ではないことがわかったら、まずはできるところから変えてみよう。そこからあなたの最適な健康への道はスタートするのだから。
参考文献
- (1)The descriptive epidemiology of sitting. A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ).
- (2)Gray Cook :Expanding the joint by joint approach
- (3)Gray Cook:movement